便秘の解消に効果的なものというと、まず食物繊維を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? でも、「実際に食物繊維の多い食べ物をいっぱい食べても、全然よくならなかった!」という人も結構多いはず。
実は、食物繊維を含む食材をただ単にたくさん摂るだけでは、あまり効き目がないばかりか、かえって状態を悪化させてしまうこともあるんです!
そこで今回は、便秘を解消するための、食物繊維の正しい摂り方について紹介していきます。

目次
便秘に効くと言われている食物繊維
食物繊維には、水溶性植物繊維と不溶性食物繊維の2つがあることは、多くの方が耳にしたことがあると思います。
【水溶性食物繊維の特徴】
文字通り、水に溶ける性質を持った食物繊維。この食物繊維はネバネバとしていて保水性が高いので、便の水分量を増やし、外に排出されやすいようにしてくれるのが特徴。
また、腸内細菌に分解されやすく、腸内に存在する善玉菌の栄養となって悪玉菌を減らし、腸内環境を整えてくれる働きもあります。
水溶性食物繊維を多く含む食材は、以下の通りです。
大麦

水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含み、特に水溶性の含有量が多い優秀食材。
特に、β–グルカンと呼ばれる水溶性食物繊維を多く含んでいて、コレステロールを低下させる作用があるとも言われています。
アボカド

「森のバター」と言われ、ヘルシーなのにとても栄養価が高いことで知られています。
アンチエイジングに効果的な
- ビタミンE
- 各種ビタミン
- 鉄
- リン
- ミネラル
も豊富に含んでいるのが特徴です。ただ、脂肪分が多いため摂りすぎには注意が必要!
山芋
水溶性食物繊維の一つである、ネバネバ成分のムチンが、便の排出をサポート!
ただし、ムチンは高熱に弱い特徴があるため、便秘解消のために食べる場合は、加熱せず、すりおろしてとろろご飯にしたり、千切りにして食べるのが効果的です。
ゴボウ

水溶性、不溶性の食物繊維をバランスよく含み、そのバランスは
「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=2:3」
と、食物繊維量は野菜の中でトップクラス!
また、抗酸化作用のあるサポニンも豊富に含まれていて、冷えに効果◎。冷えでお悩みの女性は積極的に摂りたい食材です。
キノコ類

きくらげ・エリンギ・ブナシメジなどで、低カロリーな上、ミネラルを豊富に含んでいることから、ダイエットに最適な食材とも言われます。
より効果的にキノコを摂取したい場合は、栄養が凝縮した干ししいたけを粉末化し、お味噌汁などに入れて食べるのがおすすめです。
海藻類

寒天やひじき・めかぶ・わかめ・もずく・昆布など。海藻類に含まれる食物繊維のアルギン酸には、塩分を体の外に排出し、血中コレステロールの低下や体脂肪の代謝を促す働きがあります。
【不溶性食物繊維の特徴】
不溶性食物繊維は、水に溶けず、ほとんど消化されることのない食物繊維です。腸内で水分を吸収し、便のカサを増やすことで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、排便を促す効果があると言われています。水分を吸収することで、便が緩くなるような印象を持ちがちですが、不溶性食物繊維は筋状でザラザラとしているため、滑りは悪くなります。不溶性食物繊維を多く含む食材は、以下の通りです。
穀物

大麦以外の穀物は、水溶性食物繊維よりも、不溶性繊維を多く含んでいて、特に
- ライ麦
- トウモロコシ
- 五穀
- 玄米
に多く含まれています。
豆類

ただし、納豆は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方をバランスよく含んでいて、ビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖も含まれているので、できるだけ積極的に摂りたい食材です。
果物

リンゴやバナナ、オレンジには、不溶性食物繊維のペクチンが多く含まれています。ペクチンは、整腸作用のほか、血中コレステロール値を下げる作用も持っています。
食べ過ぎが逆に便秘を招くことも!
不溶性食物繊維は、便の水分を奪い滑りも悪くしてしまうため、摂りすぎには注意が必要です。
特に、便秘の人が大量に不溶性食物繊維を含む食材を摂ってしまうと、さらに便が詰まって状態が悪化してしまうこともあります。
上手な食物繊維の摂り方とは
食物繊維を摂る際には、「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=2:1」が理想のバランスと言われています。
不溶性食物繊維は、りんごなどの果物に多く含まれていてどちらかと言うと、日本人は不溶性食物繊維の方が摂取しやすい傾向にあります。
そのため、この理想のバランスを叶えるためには、水溶性食物繊維の摂取を日頃から意識するのが大切だと言えます。

食物繊維を意識してバランスよく摂取するのと同時に、便秘解消のために重要となるのは、朝の行動です。
起床後早い段階で、冷たい水や牛乳を飲むと腸が刺激されて活発になり、さらに便に水分が加わることで排便しやすくなります。
さらには、朝食を摂ることで食べ物が腸を刺激し、便意を生じやすくしてくれます。
朝は朝食を抜きがちになってしまっている人も多いかもしれません。
便秘を解消したいという人は、朝食を摂り、便意を感じた際にトイレに行ける時間の余裕を持って行動することは、とっても重要ですよ!
いかがでしたか?
「便秘には○○○の食材!」などと、テレビや雑誌で特集されていると、ついつい同じ食材ばかりを食べてしまいがちですが、体にとって一番大切なのは、様々な栄養をバランスよく摂ること。
便秘を解消したい場合は、できるだけ不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスを考えながら食事を摂ってくださいね!
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